飲食店の年間商品&販促計画の作り方
皆様こんにちは
飲食店コンサルティング会社
株式会社スリーウェルマネジメント代表コンサルタント三ツ井創太郎です。
さて今日のテーマは「飲食店の年間商品&販促計画の作り方」について。
㈱矢野経済研究所より外食産業の調査結果が発表されました。
2017年度の国内外食市場規模は30兆5,749億円となり30兆円の大台を上回りました。
市場拡大に寄与したのは「ファーストフード」業界の好調です。ファーストフード業界は今年に入ってからも好調です。
ファーストフード業界最大手のマクドナルドの業績を見てみると2018年度は客数、客単価、売上高共に1月~6月まで常に前年比を上回っています。
マクドナルドは使用食材の消費期限切れ等の問題により、2014年7月売上高は、前年同月比17.4%減となっています。そして翌8月には前年同月比25.1%減、この落ち込みは2001年の上場以来から過去最大の売上不振でした。こうした状況から数年で好業績に転じた要因に「商品力の強化」があります。
その他、好調業界としてカフェ業界があげられます。2017年カフェ・喫茶業界の売上合計は、前年比4.6%増の6,415億3,200万円。売上1位はスターバックスコーヒージャパン株式会社の1,709億8,400万円で、2位はドトールコーヒーの725億6,000万円。1位のスタバと2位のドトールの間には1,000億円近い差があります。(出典:㈱帝国データバンク「喫茶店・カフェ経営業者1,180社の経営実態調査」)
スターバックスの戦略詳細に関しては、YAHOO経済ニュースに取り上げられました私の記事がありますので、こちらをご覧ください。※本ブログ最後にリンクを掲載しておきます。
業績好調なマクドナルドやスターバックスに共通する事。
それは年間を通じた緻密な商品戦略=MD(MerchanDising)戦略です。
私のご支援先でも年間MD戦略を取り入れています。年間MD戦略のポイントは次の通りです。
飲食店における年間MD戦略のポイント
①マーケットニーズ
まず最初に考えていくのは年間を通じたマーケットニーズ=オケージョンです。
例えば繁華街であれば3月、4月は歓送迎会需要、郊外店であれば7月~8月は夏休み需要といった季節毎のニーズがあります。まずはこれらを年間カレンダーに落とし込んでいく事が重要です。こうした年間需要カレンダーはグルメサイトの営業の方等にお願いするともらえる場合もありますので聞いてみて下さい。ただこうした一般的なマーケットニーズは当然ながら競合が多いので、自社ならではのターゲットとそのニーズを盛り込む事ができるとかなり効果が期待できます。
②グランドメニュー
グラインドメニューリニューアルのタイミングも年間を通じて決定しておきます。グランドメニュー変更には大きなコストがかかります。このコストとは「時間コスト」「オペレーション構築(見直し)コスト」「ロスコスト」「備品コスト」です。こうした事を踏まえた上で、繁忙期をずらす等の対策も考えておく必要があります。
③宴会&コースメニュー
季節宴会&コースといった需要に対するメニューの開始と終了日を決定しておきます。アルコール業態であれば、宴会&コースカテゴリー売上は年間を通じて大きなシェアとなる為、しっかりとした計画が重要となります。
④シーズンメニュー
一般的には「季節のおすすめ」に分類される商品です。こちらはあまりコストがかからないよう「手書き」や「POP」で訴求していく流れとなります。なおシーズンメニューに関しては「やってはいるけど出数などの数値はとってない」という店舗様がおられますが、シーズンメニューの販売データは翌年以降のマーケティング戦略を考える上ではとても重要な指数となりますので、必ずデータを取るようにして下さい。
⑤販促・イベント
そして①~④が決定した上でこれらを「いつ」「誰に」「何の媒体に」「幾ら使って」販促していくのかをMD計画表に落とし込んでいきます。そして何よりも大切なのはまずは①~④の「商品戦略」をしっかりと固める事です。「販促の為の販促」では意味がありません。また商品力の低い商品を販促する事は「お金をかけて”不満足”を宣伝している」のと同じです。
⑥効果測定
⑤で実施した販促に関して、同じMD表内で効果測定を行います。これにより自社ならではのMDノウハウを蓄積していきます。MD計画は初年度はどうしても「産みの苦しみ」がありますが、こうしたノウハウは必ず企業の財産となります。
前回記事はこちら!
飲食店経営者の皆様のご参考になれば幸いです。
本日も最後までお読み頂きありがとうございました。