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【飲食店評価制度】スキルチェックシート作成術!スペシャリスト分析で人材育成を加速!

【飲食店評価制度】スキルチェックシート作成術!スペシャリスト分析で人材育成を加速!|飲食店コンサルティングのスリーウェルマネジメント

皆さんこんにちは!飲食店コンサルティング会社スリーウェルマネジメント代表の三ツ井です。

前回のブログでは、飲食店の評価制度②定性評価:定性評価項目でスタッフのやる気を引き出す方法についてお話をさせて頂きました。

前回のブログはこちらからご覧ください。

今回のYouTubeはこちらから!| 飲食店コンサルティングのスリーウェルマネジメント

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今回も、地方都市で大型和食店などを経営している佐々木社長の会社で実際に評価制度をゼロから作った構築事例をベースにお話ししていきます。

効果的なスキルチェックシートを作成するための「スペシャリスト分析」

佐々木社長「確かに思い返すと、うちの会社も今までずっと暗黙知経営をしてきました。優秀なスタッフが辞めるとお店のレベルが下がり、QSCレベルが低下し、お客様の満足度が低下する。こんなことの繰り返しでした。

個人のスキルを会社の資産にすることが重要であることはわかりますが、具体的にスペシャリスト分析はどのように進めていくべきでしょうか?」

佐々木社長の会社では、私がファシリテーターを務め、「スペシャリスト分析会議」を実施しました。

評価制度における定性評価項目の中で、個人のスキルレベルの判定を行なうスキルチェックシートを作成するにあたり、各部門のスタッフに集まってもらい、日頃やっている仕事についてヒアリングを通じて分析を行なうのが、スペシャリスト分析会議です。

以降、このときのスペシャリスト分析会議をベースに、会議の進め方を具体的に解説していきます。

 

当日は、佐々木社長の会社のうち和食業態店の調理場部門の料理長と副料理長、主任さんの3名に集まっていただきました。

最初にキッチン内の仕事のカテゴリー整理を行なっていきます。キッチンの場合は「ポジション別の業務」と「管理業務」という2つの軸で考えていくと仕事の整理がしやすくなります。

【飲食店評価制度】スキルチェックシート作成術!スペシャリスト分析で人材育成を加速!

三ツ井「皆さんのキッチンでの仕事に関して教えていただきたいのですが、ポジションはどのように分かれていますか?」

料理長「大きく分けると、焼鳥や海鮮を焼く〝焼き場〟と、唐揚げ、天ぷら、その他の揚げ物を担当する〝揚げ場〟、刺身と寿司を担当する〝寿司場〟に分かれています」

三ツ井「では、まずは焼き場の仕事に関して教えてください。焼き場は具体的にどのようなカテゴリーの仕事がありますか?」

料理長「私はほとんど寿司場で、最近は焼き場に入っていませんので、焼き場に関しては主任から説明をしてもらいます」

主 任「そうですね、焼き場の仕事を大きく分けると、オープン作業、仕込み、営業、清掃、発注、クローズ作業に分かれると思います」

三ツ井「ありがとうございます。それでは、それらのカテゴリーごとにやるべき項目を教えてください。また、実際の業務を確認したいので、今度一緒に現場に入らせていただいてもよろしいでしょうか?」

こうして私もシフトインをして、主任の焼き場業務に立ち会いました。主任には、事前にスキルチェックシートを作成しておいていただきました。

まずオープン作業で気づいたことは、皆さん、現場に入る際には当然ながら手洗いをして厨房に入るのですが、手洗い場に置いてある「個人衛生管理表」に、私が見る限り誰も記入をしていないようでした。

三ツ井「主任、この個人衛生管理表は記入しなくてもいいのですか?」

主 任「いやー、実は以前はしっかりと記入していたのですが、最近はたまにしか記入で きていないかもしれませんね」

現場に入ると、こうした「形骸化」した作業に出会うことがよくあります。こうした日々の管理表の記入についても、スキルチェックシート(役職期待チェックシート)の評価項目として入れ、意識を高めていくことが重要です。

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さらに仕込み作業を見ていきます。すると主任が仕込みに入る前に予約表を確認し、冷蔵庫の中をチェックしていました。

三ツ井「主任、今は冷蔵庫の何を確認したのですか?」

主 任「在庫と、食材が傷んでいないかの確認をしています。今日は10名、6名、4名で串焼きコースの予約が入っているので、仕込みの量がそれなりにありそうですね」

主任が何気なく行なった予約表と冷蔵庫のチェックですが、これは食材の衛生管理や、 適正な仕込み量を算出するうえで重要な行動となります。こうした行動も「冷蔵庫内の在 庫チェックができる(品目、品質、品数)」「当日のコース宴会・予約の確認を行なったう えで、仕込みの段取りを組み立てることができる」といったように、スキルチェック項目 として盛り込んでいきます。

次は営業中の作業を見ていきます。 19 時になるとお店も忙しくなってきて、焼き場も ピークタイムを迎えます。主任はさすが焼き場の経験が長いこともあり、常にチビ伝(オーダー伝票)を見ながらスピーディーに仕事をこなしていきます。

三ツ井「主任、焼き場の仕事をこなすうえで、重要なポイントはありますか?」

主 任「そうですね、まずは伝票をチェックして焼く優先順位を決めていきます。4番テーブルと6番テーブルは宴会コースで先に先付やサラダ、一品メニューが出るので少し時間に余裕がありますが、10番テーブルはフリーのお客様で一品メニューがあまり入っていないので、焼き物料理を早く提供できるよう優先的に焼きます。

提供時間に余裕がある焼き物は、焼き台の端に乗せて、時間調整をしながらゆっくり焼くようにしています」

主任が事前に作成してくれたスキルチェックシート(上図22)には、焼き場の営業時の項目には「適正焼き加減で焼くことができる」という一文しかありませんでしたが、実際に作業を見てみると、そこにはさまざまなノウハウがあることがわかります。さらにラストまで現場調査をさせていただき、一通りの作業を見たうえで修正をしたスキルチェック項目は、下図23の通りです。
皆さん、主任が事前に作成した項目と、私が現場調査を終えて作成した項目を見比べて、どう思いましたか? 

主任が事前に作成した項目は、どちらかというと「作業」の思考がベースになっていま す。一方で、私が作成した項目は、「作業」に「付加価値」をプラスするという考え方がもとになっています。

スキルチェックシート作成においては、その作業の中に隠れているノウハウ、付加価値 を盛り込むことで、評価のみならず教育プログラムとして活用できるスキルチェックシー トになります。

【飲食店評価制度】スキルチェックシート作成術!スペシャリスト分析で人材育成を加速!

このスキルチェックシートを主任に見ていただくと、

主 任「このほうがより具体的で評価がしやすいですし、新人やアルバイトさんにも指導がしやすいですね。ただ、これはマニュアルとどう違うのですか?」

確かに、このように細かく項目を設定していくと、マニュアルとの違いがわからないかもしれません。実際、私は支援先のスキルチェックシート作成時には、「マニュアルの小見出しタイトル」をイメージしてもらうようにしています。つまり、スキルチェックの項目の内容を、さらに詳しく記入していくとマニュアルになるイメージです。

すると、【評価項目(定性評価のスキルチェック)→教育プログラム→教育マニュアル】が連動して行なわれることになります。

このようにして、キッチン内の全ポジション、さらにはホールや店長業務等もすべてスペシャリスト分析を行ない、店舗全体のスキルチェックシートを仕上げていきます。

なお、ホールとキッチンスタッフの簡易的なスキルチェックシートについては、こちらよりエクセル資料がダウンロードでき ますので、ご活用ください。

 

なお、今回のブログは下記YouTubeでも解説しておりますので、ぜひご覧ください!

本ブログが少しでも飲食店経営者の皆様のご参考になれば幸いです。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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