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飲食店の経営理念と行動指針の具体的な作り方を解説

飲食店の経営理念と行動指針の具体的な作り方を解説|飲食店コンサルティングのスリーウェルマネジメント

皆さんこんにちは!飲食店コンサルティング会社スリーウェルマネジメント代表の三ツ井です。

前回のブログでは、評価制度の構築に向けた「経営理念・経営ビジョン・経営計画」の重要性ついてお話をさせて頂きました。

前回のブログはこちらからご覧ください。

今回のYouTubeはこちらから!| 飲食店コンサルティングのスリーウェルマネジメント

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今回も、地方都市で大型和食店などを経営している佐々木社長の会社で実際に評価制度をゼロから作った構築事例をベースにお話ししていきます。

評価制度構築の前に経営理念・行動指針・経営ビジョン・経営計画を作成していくこととなった佐々木社長の会社。佐々木社長は既に「お客様に喜んでもらう」という信念を掲げていましたが、この信念をベースにもう少し理念を考えていくことになりました。

佐々木社長「経営理念は、他社はどうやって決めているのでしょうか?」

三ツ井「経営理念に関しては、こうやって決めないといけないというルールはないのですが、参考となる考え方をご紹介します」

経営理念の策定に関しては、いくつかアプローチ方法があります。

 

■他社の経営理念を参考にする

経営理念を考える際には、他社の経営理念を参考にするとよいでしょう。例えば飲食業であれば、

「食の感動で、この星を満たせ。」―株式会社トリドールホールディングス

「永遠の理念『うぬぼれ』  焼鳥屋で世の中を明るくしていきたい、という『うぬぼれ』を永遠に持ち続けます。」―株式会社鳥貴族ホールディングス

「おいしさと笑顔を地域の皆さまに」―日本マクドナルド株式会社

これらを見ていただくとわかるように、その企業の業態や特徴を盛り込んだ経営理念となっています。

 

なお、参考にする経営理念は外食企業に限らず、異業種で尊敬している経営者の経営理念を参考にする方もいらっしゃいます。

「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」―京セラ株式会社

「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」―株式会社ファーストリテイリング

このように他社の経営理念を参考にすることで、自社の経営理念を考えるヒントを得ることができます。

当社の支援先で焼肉店を1店舗経営している社長は、京セラ創業者の稲盛和夫さんの大ファンであったため、「豊かな食文化の提供」と「全従業員の物心両面の幸福を追求する」という京セラの理念を盛り込んだ経営理念をつくりました。

飲食店の経営理念と行動指針の具体的な作り方を解説

■自分の想いを整理する

次に紹介するのは、自分自身の想いを整理することで経営理念を策定していく方法です。この方法では、「経営理念策定フレームワーク」を活用すると理念の策定がしやすくなります。

佐々木社長の会社では、私がファシリテート(会議の進行役)を務め、幹部スタッフを交えてこの経営理念策定フレームワークを実際にやってみました。

①想い

まず、「このお店を通じて成し遂げたいこと」を記載していきます。

実際には、佐々木社長や幹部スタッフの皆さんから、こんな意見があがりました。

「来店されたお客様(仕出しも含む)が元気になって帰っていくようなお店にしたい」
「家族でも立ち寄れるフレンドリーなお店にしたい」
「働くスタッフや職人さんが誇りや働きがいを感じられる会社にしたい」

②未来

10年後、具体的にどのような企業になっていたいかを記入していきます。なお、「なぜ10年なのか?」と質問されることがありますが、確かに長く事業を行なううえでは、事業フェーズの変化により経営理念を変更することもあります。ただ、2年、3年、5年といった中期的視点だと、経営理念というよりは経営ビジョンに近くなってしまう傾向があるため、「10年後」という未来の視点で考えてみるのがポイントです。

ここではこんな意見があがりました。

「和食、居酒屋以外の業種にもチャレンジする企業になっていたい」
「社員独立制度を整備し、社員のグループ内独立を支援する企業になっていたい」

飲食店の経営理念と行動指針の具体的な作り方を解説

③社会的意義

① ②で考えた内容に「社会的意義」という項目を付け加えて考えます。なお、社会的意義に関しては、必ずしも経営理念の文面に盛り込む必要はなく、経営理念を説明するうえでの背景として設定するという考え方もあります。

社会的意義については、次のような意見があがりました。

「地域の他の業種のお店とも連携し、地域を盛り上げていける企業になりたい」
「食育イベント等を通じて、子どもたちに和食の素晴らしさを伝えていきたい」

④経営理念の案

①~③を踏まえて経営理念を具体的に記載していきます。ここでは①~③の内容をすべて盛り込もうとするのではなく、①~③の内容をヒントにしながら文章を考えていきます。

佐々木社長の会社では、私のファシリテーションのもと、皆でさまざまな案を出し合い、皆で話し合い、何度も何度も修正を重ねた結果、次のような経営理念になりました。

「食を通じて豊かな時間を創造し、地域とスタッフの未来を創る」

 

佐々木社長「想いを語り合い、皆の想いが詰まった理念をつくることができました」

三ツ井「皆で自社の理念について語り合えたことは、よかったですね。ただ、経営理念はつくるよりも定着させるほうが重要で難しいので、これからしっかりと定着させていきましょう!」

経営理念を実現するための行動指針をつくる

経営理念については評価制度に盛り込もうとすると、どうしても抽象的な評価になってしまうので、「経営理念を実現するために必要となる日々の行動」という視点で、経営理念と連動した行動指針を策定することをおすすめしています。

佐々木社長の会社では、今回定めた経営理念を実現するための行動指針として、次の 5つを設定しました。

【経営理念】

食を通じて豊かな時間を創造し、地域とスタッフの未来を創る

【行動指針】

1.いつも機嫌よく笑顔でお客様と仲間に挨拶をする
2.プロである誇りを持ち、常に清潔感のある身だしなみを意識し実行する
3.お客様に感動していただくための技術を磨く勉強をし続ける
4.自ら目標を設定し、目標達成に向けた努力をする
5.仲間や部下に対して、常に理念で語る癖を身につける

 

なお、今回のブログは下記YouTubeでも解説しておりますので、ぜひご覧ください!

本ブログが少しでも飲食店経営者の皆様のご参考になれば幸いです。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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