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飲食店のゼロゼロ融資返済開始 | 飲食店コンサルティングのスリーウェルマネジメント

飲食店のゼロゼロ融資返済開始 | 飲食店コンサルティングのスリーウェルマネジメント

飲食店ゼロゼロ融資の返済開始


皆さんこんにちは飲食店コンサルティング会社スリーウェルマネジメント代表コンサルタントの三ツ井です。

先日は地方で複数店舗の飲食店を経営されている企業様のご支援でした。こちらの企業様からは約1年前、コロナ禍中にご相談を頂きました。

「長引くコロナ禍で経営が行き詰まり非常に厳しい状況です。倒産も覚悟しています。」

当時、さっそく社長に会いにいき経営状況を伺ってみると、財務面は倒産スレスレのかなり厳しい状況でした。切迫した状況でしたので、当社で経営再建のプロジェクトチームを編成してご支援をさせて頂く事になりました。

財務面については、不採算店舗の売却や、銀行借入、借り換えなどで一時的にキャッシュの出血を止める事はできましたが、まだまだ綱渡りの状況。ここで既存店がしっかりと稼いでくれなければ、当然ながら経営危機から脱する事はできません。

現地に伺い全店舗の巡回もさせて頂きましたが、長引いたコロナ禍の影響で店舗のQSCレベルがかなり落ちていました。Googleビジネスプロフィールの口コミを見ても、低評価の厳しいご意見ばかりでした。

こうした中で、私が最初にご提案させて頂いたのが「QSCレベルの徹底改善」です。
こちらの企業様に限らず、いま全国の飲食店で発生しているのがQSCレベル低下の問題です。
 

■QSCレベルの改善がゼロゼロ融資返済開始の経営危機を救う | 飲食店コンサルティングのスリーウェルマネジメント

■QSCレベルの改善がゼロゼロ融資返済開始の経営危機を救う | 飲食店コンサルティングのスリーウェルマネジメント

今年よりゼロゼロ融資の返済が本格化してきている中で、業績アップに向けて様々な取り組みを行われている飲食企業様も多いかと思います。

「業績アップ」と聞くと、どうしても販売促進をイメージされる方が多いと思いますが、私はQSCレベルが低下した店舗で販売促進を行う事は絶対におすすめしません。

当社では自社開発をしたGoogleビジネスプロフィールのAPI連携システムを開発しているのですが、こちらのシステムで全国の飲食店の口コミを分析していると

「家に割引チラシが届いたから久しぶりにお店に行ってみたら、スタッフの態度が悪く二度とこんな店行かないと思った」

「季節メニューの案内が届いてお店に来店、実際に季節メニューを食べたら、美味しくなかった」

「インフルエンサーのインスタ投稿を見てお店に来店したが、実際の商品はインスタで見たものと全く異なるレベルだった」

このような口コミ投稿を良く見かけます。

良かれと思って行った販売促進も、店舗のQSCレベルが整っていなければお客様の不満足を発生させる「逆ブランディング」になります。お金をかけてお店の不満足を拡散しているのです。特に今はコロナ収束後の急激な外食需要回復×人材不足により店舗の戦闘能力が落ちている状況です。こうした中で、せっかく来店して下さったお客様からの信頼を一度失ってしまうと、信頼を取り戻す事は容易ではありません。

はっきり申し上げると、販売促進だけで「中長期的な繁盛」を実現する事はできません。

ゼロゼロ融資返済がスタートする中で、返済原資である「既存店売上/利益」を高め、中長期的な繁盛を実現する為にもQSCレベル向上は急務なのです。

ご相談を頂いたこちらの企業様でも似たような事態が起こっていました。そこで最初に我々が行ったのは既存店の商品力の見直しです。
 

強みを磨き込み、強みを明確に打ち出す | 飲食店コンサルティングのスリーウェルマネジメント

強みを磨き込み、強みを明確に打ち出す | 飲食店コンサルティングのスリーウェルマネジメント

こちらの企業様では当社のシェフコンサルタントが実際に店舗のキッチンに入り、全商品の仕込みから味付け、提供オペレーション、盛り付け、食材保管、衛生管理の仕方に至るまで全ての見直しを行いました。味ブレが起こりそうなメニューはあえて廃止し、店内で仕込んでいた合わせ調味料はOEMに切り替えました。

さらには店舗のコンセプトとターゲットを改めて見直し、自店舗の強みを明確に打ち出すべくメニューブックのリニューアルを行いました。

接客に関しても接客マニュアルを見直した上で、スタッフ教育を徹底すると同時に、Googleフォームを活用したデジタルアンケートを導入し、お客様からご指摘を頂いた際には社長自らが指示を出して徹底改善する体制を構築しました。
 

アフターコロナのV字回復に向けた業態リニューアル | 飲食店コンサルティングのスリーウェルマネジメント

アフターコロナのV字回復に向けた業態リニューアル | 飲食店コンサルティングのスリーウェルマネジメント

次に行ったのが繁華街で展開していた店舗の業態転換です。コロナ禍で大打撃を受けていた繁華街業態。こちらの店舗に関しても商圏特性分析や、周辺競合店の調査を行った上で業態転換を行いました。業態転換の際に特に気を付けたのが「メイン商品のクオリティ」です。最近よく見かける「インスタ映え」だけに走らず、しっかりと美味しい商品をメイン商品として据えました。

こうした「財務」「QSC」「業態転換」という3本の矢の取り組みを、約半年間でかなりのスピード感で行ってきました。社長様も各店舗のスタッフの方も本当に大変だったと思います。

久しぶりに店舗に訪れるとQSCレベルが劇的に向上、業績もV時回復 |飲食店コンサルティングのスリーウェルマネジメント

こちらの企業様は先も述べたように財務的には余談を許さない状況でしたので、我々としてもコストを抑える為に、最初の現地調査、店舗指導を終えてからは、あえて訪問はせずにZOOMでのご支援を続けておりました。そして、先日こちらの企業様に久しぶりに訪問をしてきました。

社長と一緒に既存店を回り、実際に食事をしましたが本当に別のお店に産まれ変わったと思えるほどQSCレベルが改善していました。Googleビジネスプロフィールの口コミも以前は低評価のお叱りばかりだったのが、今は高評価ばかりで店舗の総合評価も4.5を超えるレベルになっていました。

業態転換を行った繁華街の店舗も、業績好調で1店舗月100万円以上の償却後利益を残してくれる店舗になっていました。まだまだ余談は許しませんし、中期計画の達成も必須の状況ですが。これで何とかゼロゼロ融資の目途を立てる事ができました。

店舗視察を終えてから、久しぶりに社長とお食事をさせて頂きました。

「三ツ井さん、当時は本当にヤバかったです。倒産も覚悟していました」

これまでの社長とスタッフの皆さんの頑張りを伺い、私も本当に胸が熱くなる想いでした。

 

ゼロゼロ融資の返済開始は2023年7月~2024年4月に集中しています。飲食店にとってはこれからが正念場です。

人材不足の中でQSCレベルを高める為には、営業体制の「選択と集中」という考え方を持つ事も重要です。

 

■モバイルオーダーを導入して、スタッフの業務付加を軽減し、空いた時間をお見送りや商品説明に使う

■今までやってきたオペレーションを改めて見直し、業務の無駄を省く

■無駄な会議を廃止、代わりに15分の全店朝礼を毎日必ずZOOMで行い、QSC改善のPDCAサイクルを回す

■洗い場スタッフの配置を辞め、食器を十分に補充した上で洗い物はラストオーダー後に全スタッフで一斉に洗浄する

 

「少ない人員体制で効率良く営業できる方法を再検討する」という思考に切り替える必要があります。

コロナ禍前から「何となく行っていた業務」を全て見直すのです。

 

皆さんのお店でも販売促進だけに頼らず、ぜひお店の本質的な力を磨いてください。

本ブログが少しでも皆さんのご参考になれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
 

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