鳥貴族の理念経営とコロナ禍の意思決定 | 飲食店コンサルティングのスリーウェルマネジメント
鳥貴族の理念経営とコロナ禍の意思決定 | 飲食店コンサルティングのスリーウェルマネジメント
皆さんこんにちは飲食店コンサルタントの三ツ井です。
先日は当社主催の第五期フードビジネス経営塾の初回開催でした。全国より来場とWEB合計で240名ものご参加を頂きました。
ご参加を頂きました皆様、改めましてありがとうございます。
今回の講義では私の本講座とは別に、株式会社鳥貴族ホールディングス代表取締役大倉忠司様と対談をさせて頂きました。
コロナ第7波の拡大などで不安を抱える飲食店経営者様が多い中で、大倉社長には様々なテーマでお話を伺いました。
質疑の時間では
「鳥貴族では経営理念を浸透させる為にどんな活動をしていますか?」
「鳥貴族の値上げの結果はどうですか?」
「鳥貴族が考えるアフターコロナの居酒屋業界はどうなりますか?」
などなど、様々なご質問にお答え頂きました。今回のコンサル日記ではこうした数あるご質問の中でも、特に参加者から質問が多かった「鳥貴族の理念経営」と「値上げ」について少しお話をさせて頂きます。
①鳥貴族が取り組む理念経営
先日の対談の中で参加者の皆様より最も多かったご質問は大倉社長が取り組まれている「理念経営」です。大倉社長ご自身も「理念経営が無ければ鳥貴族の今は無かった」とはっきりと断言されるくらい理念経営を重要視されておられます。
鳥貴族では「トリキウェイ」という共通価値観=行動指針を設けておられます。そして大倉社長ご自身で鳥貴族が展開する全国のエリアに赴き、スタッフさんを対象とした「トリキウェイ」の勉強会を行っておられるそうです。さらに社内に理念推進室という専門部署を設け、社内報や理念勉強会の開催など、日々理念の浸透に向けた活動を行っておられます。
理念経営をかかげる飲食店経営者の方は多いですが、経営理念は「かかげるだけ」では定着する事は絶対にありません。経営理念を浸透させる為には、日々の理念浸透活動を継続させる事が重要なのです。
「会社にいると電話等で幹部スタッフが“それは鳥貴族の経営理念と反しているよね”など、理念やトリキウェイを軸として話している姿をよく見かけます。こうした場面に遭遇すると改めて理念浸透の大切さを痛感します」
大倉社長はこのようにおっしゃっていました。ウィズ&アフターコロナ時代の飲食店経営者においては、今まで以上に「理念経営」が重要になります。こちらに関しては、以前のブログでもお話しておりますので、ご興味がある方は下記よりご覧くださいませ。
「アフターコロナにおける理念経営」にのブログはこちらから
②鳥貴族の値上げについて
参加者の方から特に多かった質問が値上げに関してです。飲食店では原材料、採用費、資材、輸送費など高騰が続いており、経営者の方にとって「値上げをするか否か」というのはとても大きな悩みになっています。
そんな中で鳥貴族は今年4月に値上げを実施されました。
鳥貴族の値上げについてはメディア等で取り上げられている為、皆さんもご存じかと思います。しかし鳥貴族が今回の値上げと同時に従業員給与のベースアップをしている事はあまり知られていません。
今回のベースアップの昇給率は平均3.1%、多くの社員を抱える同社にとって3.1%のベースアップは莫大な人件費アップになりますが、大倉社長はベースアップを通じて従業員の待遇改善に取り組む事が、お客様に提供する商品、サービスの品質の向上に繋がるという強い信念、そして経営理念を軸に意思決定をされたそうです。
当社にも今年の4月頃から「値上げ」についての経営相談が多数寄せられています。
「値上げをしたらお客様が減ってしまうのではないか・・・」
こうしたお悩みを抱える飲食店経営者の方々には「値上げは客数だけではなく、粗利で考える事も重要」とお伝えしています。ウィズ&アフターコロナにおける飲食店の値上げ戦略については下記にも記載しておりますので、ぜひご参考にして下さいませ。
「コロナ禍の値上げ」に関してのブログはこちらから
大倉社長より本当にたくさんの学びを頂いた今回の対談でしが、中でも特に私が感銘を受けたのが次のお言葉です。
「経営者の役割は戦略を描く事と理念を浸透させる事」
「理念を浸透させるには経営者自らが理念通りに言動、行動、経営する事が大切」
改めて理念経営の重要さを痛感した1日でした。
大倉社長、貴重なお話をありがとうございました。
本日も最後までお読み頂きありがとうございます。
本ブログが少しでも皆さんのご参考になれば幸いです。