飲食コンサルタントを育てる仕組み | 飲食店コンサルタントになるには・・・
飲食コンサルタントを育てる仕組み | 飲食店コンサルタントになるには・・・
飲食店コンサルの三ツ井です。
このブログでは日々のコンサルティング活動をお伝えしているのですが、先日ブログを読まれたご支援先の社長様より
「ご支援先の事例だけでは無く、三ツ井さん自身が自社の人材育成をどうしているかも書いて欲しい!」
というご要望を頂きましたので、今日は当社の人材育成の取組みについてお話をさせて頂こうと思います。
当社が一番大切にしているのは「メンバー個人の成長をどうやって最大化させるか」という事です。
私は個人の成長を最大化する為には「重要度の高い仕事の緊急度をどう高めるか」が肝だと考えています。
仕事を緊急度と重要度という2軸で分けると次のようになります。
コンサルタントは自身のクライアント企業様へのご支援等は「重要度」と「緊急度」が高いのですが、自分個人(自社)の中長期的な成長戦略において必須となる「理念浸透」や「個人のマインドアップ」「計画的なスキルアップ」となると、クライアント企業様のご支援と比べて緊急度が低いので、どうしても後回しになりがちです。
私は企業が中長期的に成長する為には「緊急では無いが重要な事」にしっかりと取り組んでいく事がとても大切だと考えています。これは飲食店の経営においても同じだと思います。
当社ではこの「緊急では無いが重要な事」のPDCAサイクルを「毎日」「毎月」「半期」「年間」という単位で構築する事により、個人成長最大化の上で重要となる取り組みの緊急度を高め「人材育成が後回し」になる事を防いでいます。
①当社の飲食コンサルタントが毎日やる事
■理念日報
当社メンバーには毎朝9時までに、前日のご支援内容や出来事を当社の理念や行動指針に照らし合わせてルール化して発信する日報に取り組んでもらっています。
この日報で重要なのは「経営理念」と「ルール化」を軸にしているという点です。これを毎日繰り返す事で、各個人の「理念浸透度」と「ルール化スキル」が各段にアップしました。さらに各個人のコンサルティング内容を社内で共有化する事で「ここはもっとこうしたら成果がでるかも!」などの皆で助け合いながらアドバイスをする風土が生まれるようになっています。
■お礼のお手紙(ハガキ)
当社では経営相談などで、初めてお名刺交換をさせて頂いた飲食経営者の皆様には必ず手書きのお手紙(ハガキ)をお送りしています。
お手紙を書く時間というのは、相手の方を思いやる時間です。そして相手の方を思いやる時間は自分を見つめ直す時間にもなります。お手紙を習慣化する事で、当社の理念の一つである「親身」をより強く意識してもらうようにしています。
■スケジュール構築
当社のコンサルタントは基本的に超自由裁量で働いている為、日々のスケジュールは各個人が自由に設定する事が可能です。超自由裁量は主体的かつ効率的に働けるというメリットがある一方で、会社として「誰がどこで何をしているか分からなくなる」というデメリットもありますので、当社では全メンバーのスケジュールが一目で分かるようにしています。
さらに常に3か月先までのスケジュールを組み立てる事で、結果・成果からの「逆算発想」でプロセス=スケジュールを構築して仕事を進める癖を身に着けてもらっています。
ここまでの話を聞いて「毎日やる事がたくさんあるな~」と思われた方もおられると思いますが、この毎日やる事の各項目の所要時間は下記の通りです。
理念日報・・・5分
お礼のお手紙・・・5分
スケジュール構築・・・2分
これらのアプトプットを行う所要時間は約12分間です。
当社では、各自1日の中でたった12分だけ自己成長の立ち止まって考え、アウトプットしてもらっています。
逆に言うとこの12分以外は、全て自由裁量で働いてもらっています。
たかが1日12分ですが、月間で4.4時間、年間で52時間
自己成長を最大化する上ではこうした地道な習慣を継続し続ける事が重要だと私は思っています。
そして何よりこうした取り組みは経営者の率先垂範が重要です。一方的に「やれ!!」と言っても組織には定着しません。
私自身も今まで一日も欠かす事なく、そして誰よりも早い「12分間アウトプット」を継続しています。
②当社の飲食コンサルタントが毎月やる事
■戦略会議
毎月1回、当社の熱海のワーケーション施設で海を観ながら戦略会議を行います。戦略会議では年次計画で立案した取組みの進捗状況の確認や、新たな社内プロジェクトの立案などを行います。戦略会議は「新しい取組を発想する場」でもある為、あえてラフなスタイルで行う事で自由なアイデアの創出を促しています。日によっては軽くビールを飲みながら会議をする時もあります。
我々コンサルタントはほぼ毎日出張をしている為、一カ月の中で全員が顔をそろえるのは戦略会議の1日のみとなっています。そこで毎月の戦略会議後には必ず私の手料理やBBQで親睦を深めています。
このラフな戦略会議から数多くの新規事業やプロジェクトが生まれており、戦略会議は当社内でも最も生産性が高い会議と言えます。
■予算実績会議
予算実績会議は戦略会議と違って、数字がベースの会議になります。具体的には各個人の予算達成状況や、当社が設定している様々なKPI数値の確認と改善策を議論します。「数字確認に時間をかけても数字は作れない」ので、会議時間は1時間程度で終えるようにしています。
予算が未達成の場合は、新たな取り組みの企画などを全員でサポートします。
③当社の飲食コンサルタントが半期、毎年でやる事
■評価面談
当社では6月と12月に一度全スタッフの人事評価と面談を実施しています。当社の評価制度は数値面だけではなく、理念や行動指針、日々のプロセス=KPIの達成状況を盛り込む事で個人の頑張りを評価する「公正度100%の評価」を目指しています。当然ながら本日お話をした理念日報、お礼のお手紙、スケジュール管理等も評価のKPI項目の対象になっています。
そして人事評価は当社独自開発のWEB評価システム「モチベイ」を使う事で評価工数を大幅に削減すると同時に、個人のスキルをスキルグラフで可視化し、人材育成計画に活かしています。DX化を実現した事で、人事評価と人材育成が各段に効率化されました。
■海外研修
今はコロナ禍で行けていませんが、コロナ前は毎月海外研修を実施していました。海外研修では主に海外飲食店の視察等を行っています。今年はアメリカ法人を設立したので、ぜひ年内には海外研修を再開したいと思っています。海外研修は各メンバーの世の中を見る視野を広げる意味でも大きな効果があります。
■経営計画策定合宿
毎年1月には1泊2日で全員で経営計画の策定合宿を行っています。この合宿では各メンバーに自分自身で計画を策定してもらい、私は計画の策定のサポートに徹するようにしています。会社側から一方的に取り組みを押し付けるのでは無く、メンバー個人の主体性を尊重する事に重点を置いています。
そして経営計画で策定した計画が「絵に描いた餅」とならないよう、②の戦略会議で毎月進捗確認や計画修正をしていきます。
このように「メンバーが策定した計画を実現する為のサポートする仕組み」を構築する事で、各メンバーに小さな「成功体験」と「成長実感」を感じてもらえるようにしています。
3wellコンサルタント育成システム
今までお話した内容を概略図にまとめると上記のようになります。
当社はこのPDCAサイクルを確実に回し続ける事で、創業より毎年150%~200%の企業成長を実現できています。
新卒スタッフに関しても、内定者研修時点から本育成プログラムを導入する事で、入社後半年で一人立ちできるようになりました。
もちろん各メンバーの年収アップも重要なミッションですが、目的はそれだけではありません。
この取り組みを行う事の最終目的は「経営理念の実現」と理念実現の為に不可欠となる「行動指針の徹底」です。
<当社の経営理念>
世のため人のためになる活動を通じて自らの価値を高め
仲間と自分の物心両面の豊かさを実現する
<当社の行動指針>
親身:常にご支援先に対して親身になる
わくわく:コンサルタントは24時間わくわくMAX
効果:親身とわくわくでご支援先にしっかりと効果を提供する
組織のマネジメントシステムは業種や会社の特性によって合う、合わないがあると思いますが今回のブログが少しでも経営者の皆様のご参考になれば幸いです。
私共で分かる事であれば何でもお答えしますので、自社の組織づくりや評価制度等でお困りの飲食店経営者の方は、お気軽にご質問下さいませm(_ _)m
本日の最後までお読み頂きありがとうございました。