店長主体の戦略的予算策定
皆様こんにちは
飲食店コンサルティング会社
株式会社スリーウェルマネジメント代表コンサルタント三ツ井創太
昨日はプロデュースさせていただいたカフェの最終オープン準備の打ち合わせでした。
お客様のニーズと原価、オペレーションをトータルでどう設計していくのか。
改めてその優位性と重要性を認識できました。オープンが楽しみです!!
さて今日のテーマは「店長主体の戦略的予算策定」に関してです。
先日は現在15店舗を展開されている飲食企業様のご支援でした。
こちらの会社様では今まで本部で年間、月次売上予算を組み、店長
しかし、今まで日割売上予算しか組んだ事がない店長さんが売上、原価、その他全ての経費まで含めた上での年間営業利益予算をいきなり策定するのはなかなか大変です。
という事で今回は私の方で予算策定研修を実施させて頂きました。
店長主体の戦略的予算策定の手順は次の通りです。
店長主体の戦略的予算策定5つのステップ
①前年実績の分析
まず最初に今期損益実績の分析を行います。その中で特別な支出で翌年度は発生しない支出等があれば注意します。なお良く聞かれる質問で「修繕費に関しては予算化するべきか?」これに関しては、1店舗月額5万円程度(年間60万円)を修繕予算として組み込んでもらっています。また「今期は10か月しか終わっていないけれど、残り2か月の損益実績はどう分析すれば?」に関しては、私はまだ損益が出ていない月に関しては前年損益実績そのまま又は前年損益実績をベースとして予測PLを活用するようにお伝えしています。
②予算ガイドラインの策定
①の前年実績を踏まえた上で、来期の予算ガイドラインを策定します。つまり、細かい勘定科目予算などを組む前に大枠の予算方針(ガイドライン)を各店長に策定してもらいます。イメージで言うと「売上高」「原価率」「人件費率」の3大項目となります。前年実績を踏まえた上で来期はどのような業績アップ(売上アップとコストコントロール)を目指していくのかというアクションプランを策定します。この時点で各項目が前年実績と大きく乖離するようであれば、その理由までしっかりと考えてもらいます。
「来年の売上は前年対比120%を目指します!」
「来年の原価率は前期より3%増加します!」
と言われても、その理由と根拠が無ければ、予算策定はただの「数値遊び」になってしまいます。まずはこのガイドラインの段階で各店長に前年対比データも踏まえて、プレゼンテーションをして頂き、本部側の一次承認を行います。
③損益予算の策定
②で大枠のガイドラインが定まったら、次にその他経費の単月事の予算を組んでいきます。基本的に賃料を初めとした管理不能な固定費に関しては前年実績を盛り込みます。その他費用に関して見直し可能な経費に関してはコスト削減案を考えていきます。特に販売促進費に関しては、現状の費用対効果(CPO=1名獲得単価等)を分析した上で、次年度の販促計画(この段階では大枠の予算と媒体選定程度)も立てていきます。
④最終プレゼン
③で経費まで組んで店舗営業利益を含めた最終損益予算が確定した段階で、各店長には最終の予算プレゼンテーションをしてもらいます。
⑤全社合計損益予算の策定
④で全店の損益予算が出た段階で全店の合計損益予算を策定し、最終の調整などを行います。
そして実際に予算年度がスタートした後は毎月「予算実績(予実)会議」を行い、予算のPDCAサイクルを構築していきます。
私のご支援先では店長主体の予算策定に変更してから下記のようなメリットがありました。
①年間を通じた売上施策をアクションプランとして立てる事ができた
②コストに対しての意識が強くなり、コスト削減が進んだ
③店長の意識が「売上」から「利益」に変わった事で、発言、行動レベルが高まった
ぜひ皆様の会社でも店長主体の戦略的予算策定に取り組んでみて下さい。
飲食店経営者の皆様のご参考になれば幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。