飲食店の”当たる立地”の見分け方
皆さんこんにちは
飲食店コンサルティング
株式会社スリーウェルマネジメント代表コンサルタントの三ツ井創太郎です。
今日は毎月定例の香港&中国コンサルティングに向けて成田空港に向かっています。
お盆休みも終わりましたので、成田エクスプレスはガラガラですね。
さて、本日のテーマは「飲食店の当たる出店立地の見分け方」に関してです。
今回はちょっとテーマが専門的ですので長めの文章です。すみません。。。興味ある方のみどうぞ!
店舗展開を行う上では出店立地の選定は重要です。
皆さんはどのように出店立地を判断していますか?
「勘」
「雰囲気」
実はこれもとても大切です。
ただ多店舗化を実現していく為には、これだけではちょっと心配ですよね。
私のイメージですが10店舗位までは経営者の方が持つ「土地勘」や「物件の雰囲気」である程度出店立地の選定は可能かと思います。むしろこの方が精度が高いです。
しかし20店舗以上の出店を目指していく上では、自社なりの「当たる立地」を見分けるルールが必要になります。
つまり、自社の出店における「当たる立地要素」を明確にし、その「当たる立地要素」と合致する立地を選定していくロジックが重要となります。
ではどうやって自社の出店における「当たる立地要素」を抽出するのか?
これにはちょっと専門的なノウハウが必要となります。
具体的には自店の様々(バラバラな)な要素の一つ一つの「相関性」を分析していく必要があります。
「相関性」の強弱は「相関係数」を使って分析します。
<相関係数とは>
①相関係数は1≧r≧-1の値を取る。
②r=1は正の相関関係があり、XとYが完全に1対1に対応(完全な直線関係)している。
③r=-1は負の相関である。Xが大きくなればYは小さくなる直線関係になる。
④rが1または-1から0に近づくに従って2つの相関関係は弱くなり、
r=0でまったく相関関係がない。
つまりこれを図にすると次のようになります。
つまり店舗の様々な要素の数値一つ一つをあらゆるパターンで相関分析し、相関係数が「1」に近い=相関性が強い要素を抽出していきます。
これですと【0.5】の相関係数が完全相関の【1】に近いので、この「当たる立地要素」の2つの数値をX軸とY軸でプロットし、近似曲線を引いていきます。
さらにこの近似曲線から大きく外れている値=ハズレ値を一旦除外してみます。
※ハズレ値が出現した理由の仮説も立てる必要があります。
すると先ほどのX要素とY要素と店舗の売上の相関関係が【0.87】という強い相関関係を表している事が分かります。
つまりこれがこのお店の「当たる立地の要素」となります。
さらにこれを数式で表すと
こうなります。
ただ当然ながらこれでも完全な売上予測を行う事はできません。
なので、こうした「売上のルール化」ができたら、ある程度条件の幅を設定します。
つまり
■当たる立地要素がA~Cの間だったら、月商は最下限●●万円~最上限●●●万円
■当たる立地要素がD~Fの間だったら、月商は最下限●●●万円~最上限●●●万円
■当たる立地要素がG~Iの間だったら、月商は最下限●●●万円~最上限●●●万円
といった具合です。
さらにこれで導き出された最下限売上を前提に、投資金額や賃料、その他経費をシミュレーションした際に投資利益率(ROI)がどれ位になるかで最終的な意思決定を行う流れとなります。たとえ高売上が望めても損益分岐点(BEP)が高かったり、ROIが低い場合等は再検討が必要ですし、高家賃の場合は物件取得費用に伴う資金繰りも加味しなくてはなりません。
そして最後に重要なのは
「勘」
「雰囲気」
ですw もちろん店長力なども影響します。
「結局そこかっ!!」と言われてしまいそうですが、こうした定量データと経営者の勘を組み合わせる事も重要です。定量データがあれば、立地特性に合わせて業態をアレンジする等の施策を行う事も可能になります。
「当たる立地を見分ける係数」はあくまでも立地診断の一つの要素とお考え下さい。
前回議事は下記よりどうぞ!
飲食店経営者の皆様のご参考になれば幸いです。
本日も再度までお読み頂きありがとうございました。