「公平な評価」と「納得感のある給与」を実現する方法
皆さんこんにちは!飲食店コンサルティング会社スリーウェルマネジメント代表の三ツ井です。
前回のブログでは、飲食店の評価制度に「特別評価」を加えるべき理由とは?【事例紹介】についてお話をさせて頂きました。
前回のブログはこちらからご覧ください。
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評価結果を評価ランクに反映させる
地方都市で大型和食店などを経営している佐々木社長の会社で実際に評価制度をゼロから作った構築過程をこれまでのブログでご紹介して参りました。
前回ご紹介した事例では、評価制度の中に特別評価を加え、小山店長の評価ランクがAランクという結果になったというお話をさせて頂きました。そして今回、実際にAランクが出たらそれをどのように賃金に反映させるのかについてお話していきます。
佐々木社長「特別評価等も加味して、評価結果から評価ランク分けまで行なうことはわか りましたが、実際にどのように評価結果を賃金に反映させればいいですか?」
三ツ井「具体的には評価ランクによって号俸を変化させて、昇給・降給を決定していく流 れになります。『評価ランク昇降給表』(図 37 )を見てください。今回、小山店長は Aランク評価でしたので、 4 等級のAランクは 1 号俸の昇給となります。現在の 35 万円から 1 号俸アップした 35万5,000円となります」

佐々木社長「今回、小山店長はAランクでしたが、昇給額は5,000円ですか。ちょっと 少ない気もしますが、どうなんでしょうか?」
三ツ井「確かに、5,000円の昇給というと一見少なく感じるかと思いますが、こちらは 基本給の昇給となるため、当然ながら昇給によって残業単価(昇給を役職手当としても、残業代の基礎単価に含まれる)や社会保険料等も上がります。また、全社員の昇給等も踏まえると、かなりの人件費アップになる可能性もあります。昇給アップ額の設定は、会社の財務状況等も踏まえて慎重に検討することをおすすめします。
最終的には全社員のテスト評価を行ない、人件費アップ額を算出したうえで、賃金テーブルにおける等級別の昇給ピッチや、評価ランクにおける昇降給額の設定をチューニングしていくことになります」
佐々木社長「社員の給与はどんどん上げていってあげたいという気持ちはありますが、三ツ井さんがおっしゃる通り、会社の業績や財務状況も加味したうえで慎重に考えていかないとなりませんね。ちなみに、一般的な企業は年間どれくらい賃金アップをしているのでしょうか?」
三ツ井「その会社の状況によるので一概には言えませんが、例えば経団連の発表によると2023年春闘の大手企業の賃上げ率は3.91%と30年ぶりの高水準となっています。さらに2024年の春闘賃上げ率は、2023年をやや上回ると予測されています。
こうした日本社会の賃上げムードにより、飲食企業でも3%、4%といった水準 で給与をアップさせる企業が増えてきました。こうした影響で、昇給ピッチを1万円などに上げる企業が増えてきているのも事実です」
人材確保のためには賃上げは避けられない

今後、外食産業においては人材獲得合戦が加速していくのは間違いないため、大手企業 を中心に賃上げが進んでいくことが予想されます。「我々は中小企業なので関係ない」と言いたいところですが、働くスタッフにとっては大手だろうと中小だろうと、労働条件が良い会社が魅力的に感じることには変わりはありません。そういった意味では、年間3~4%の給与アップが実現できる収益を確保していく必要があります。
皆さんの会社で評価制度を作成した後、報酬制度・賃金の反映の部分に関して、このブログを参考にして頂ければと思います。
なお、今回のブログは下記YouTubeでも解説しておりますので、ぜひご覧ください!
本ブログが少しでも飲食店経営者の皆様のご参考になれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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