飲食店の集客を効果的に見極めるCPOコントロール手法
皆さんこんにちは、飲食店コンサルタントの三ツ井創太郎です。
オミクロン株の感染拡大による蔓延防止措置が解除され売上が少しずつ回復傾向にある飲食店が多いかと思います。当社ご支援先でも3月下旬からお客様のご予約が多くなったとのご報告を頂いております。
今回はこれまで9回のシリーズでお伝えしてきた、様々なWEBツールを活用し、「どのように販促効果を集計し、改善に繋げていくのか」というポイントについてお話させて頂きます。
■販促効果を見える化するCPO分析
これまでの9回に渡り、販促手法の成功事例やノウハウについてお話をさせて頂きましたが、私は実施した販促の結果の振り返りを行わなければ販促効果の最大化を実現する事はできないと考えております。特にコロナ禍により借入金等が増加している飲食店においては、今後の借入金返済に向けて販促コストの適正化いていくが重要となります。この販促コストの適正化を実現する上で重要となる考え方が「CPO分析」です。
CPOとは「Cost per Order」の略で、お客様を1名集客するのに掛かった販促経費となります。具体的な計算式は「販促経費」を「販促媒体からの誘因客数」で割って算出します。
例えばとある媒体に販促経費10万円をかけ400名の誘因客数を獲得した場合のCPO=1名獲得単価は250円となります。コロナ以前は大人数の法人宴会需要があった為、予約1件当たりの人数が多ければ多少販促コスト高くても採算が合う(CPOを抑えられる)ケースもありましたが、コロナ禍で少人数の店舗利用が主体となっている中では、しっかりとCPO分析を行い各販促の費用対効果を踏まえた上で、適切な販促に適切なコストをかけていく取り組みが重要となります。
様々な業態がある為、一概には言えませんが一つの指標として新規客獲得の媒体であるグルメサイトやポスティングチラシ、新聞折り込み等のCPO(1名獲得単価)は300円~500円程度。リピート客獲得の媒体であるLINE公式アカウントやメールマガジンはCPO(1名獲得単価)300円以下を一つの指標として考えて頂ければと思います。
■販促費を低減するMIXCPOコントロール手法
CPO分析のさらに発展形として複数の集客媒体を含めてCPO(1名獲得単価)を適正化していく手法があります。
例として上記図をご用意しました。チラシでは販促費38,000円掛かり、誘因客数65名の為、CPO(1名獲得単価)585円となり前述した基準値(300円~500円)を超えております。LINE公式アカウントでは販促費5,000円、誘因客数92名の為CPO(1名獲得単価)54円となっております。
チラシとLINE公式アカウントを同時に活用する事で合計のCPOは274円に抑える事が可能となります。私はこれを「MIXCPOコントロール手法」と呼んでおり、新規客の獲得やアナログ媒体等の比較的CPOが高い媒体を利用する際に活用できる適正化の手法でございます。
このように販売促進においてはCPO(1名獲得単価)を基に効果測定を行う事でより効率性の高い販売促進が可能となります。効果測定を実施しない販売促進は長期的な視点で店舗の資産に繋がりません。ぜひ今回のCPO分析手法を活用頂ければと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。
本記事が少しでも皆様のお役に立てば嬉しく思います。