飲食店のアフターコロナに向けた業態変更&ビジネスモデル変革|飲食店コンサルティングのスリーウェルマネジメント
アフターコロナに向けて飲食企業はどのように業態変更やビジネスモデル変革を行うべきなのか?
皆さんこんにちは、飲食店コンサルタントの三ツ井創太郎です。
「アフターコロナに向けてどのようにビジネスモデル変革や業態変更を行うべきですか?」
最近当社にこういったご相談が増えてきています。
先日もとある飲食企業様より新規出店の可否判断に関するご相談がありました。
飲食店がアフターコロナの業態変更やビジネスモデル変革を行う際に気を付ける事
私はこういったご相談を頂いた際には次の4つのポイントでアドバイスをするようにしています。
①思い込みでは無く、客観的なデータを用いて業態やビジネスモデルを検証する事
経営者の方が「やりたい!」と思っている場合、あまり周りが見えずに一人で猛進してしまうケースが良くあります。
経営者の方の想いは新規ビジネスを進める原動力でもありますが、アフターコロナにおける失敗は大きなリスクを伴うので、客観的なデータや周りへの相談を通じて、まずは意思決定の判断材料をしっかりと集める事を意識して下さい。
②モデル店/モデル企業を見つける事に全力を注ぐ事
確かに「世の中に無い」ビジネスモデルは魅力的に見えます。一方でそうしたビジネスモデルには大きなリスクも伴います。会社が絶好調でキャッシュが潤沢な状態であれば、こうした未知のビジネスモデルにチャレンジする事も良いかもしれませんが、アフターコロナという不明確な状況を進む中においては、まずはモデル店やモデル企業を探していく事に全力を注ぐ事が大切です。
③「見込み売上」では無く、損益分岐点売上とキャッシュフローを意識する事
新店や新規事業を行う際にはどうしても「これ位売れたら良いな~」という思いが強くなります。次第に「これ位売れたらよいな!」が「これ位売れるだろう!」に変わり「これ位は売れるに違いない」という思考になりがちです。こうしたプラス思考は経営者の意思決定を後押しする上では大切ですが、私はまずは損益分岐点売上高(BEP)をしっかりと分析した上で、BEPを確実に超える事ができるのか?という視点で考える事が大切だと思っています。フランチャイズ等への加盟であれば、出店を検討している物件の商圏状況と類似する系列店のBEPや売上実績等を本部に確認するといった事も重要です。
さらには「アフターコロナの8割経済」という状況も想定し、お店の売上がBEPの90%減、80%減となった場合の会社のキャッシュフローに与える影響等もしっかりとシミュレーションをしておきます。
④事業の担当者を決める事
どんなに優れた業態/ビジネスモデルであっても、その計画を実現する為の人材がいなければ成功しません。
逆に言えば、良い人材が配置できないようであれば、その計画からは撤退するべきかもしれません。
まずはこの4つのポイントをしっかりと抑えてください。
アフターコロナの出店立地選定はしっかりと商圏分析を行う
今回ご相談を頂いた飲食様に関しては、当社にて出店候補地の徹底的な調査・分析をさせて頂きました。
具体的には
①出店検討自社業態の強み、弱みの分析と業態ブラッシュアップのご提案
②出店候補地周辺10店舗への競合店調査
③①、②を踏まえた損益シミュレーションと出店可否判断
今回の競合店調査においては、競合店のコロナ禍前と後の売上状況も知る事ができました。
こうした実地データと商圏の様々なデータを元に、我々で損益シミュレーションを実施した所、こちらの立地に出店した場合、半年程度赤字が続く事が予想されるという結論に至りました。
最初は出店に乗り気であった社長様も調査報告書を見て、出店しないという意思決定をされました。社長様も薄々この立地へ出店の危険性を感じていたようですが、「出店したい!」という想いが先行してしまっていたとご自身でもおっしゃっていました。
アフターコロナのギャンブル出店はかなりの危険が伴います。
ぜひ皆様の会社でもしっかりと立地調査や損益シミュレーションを実施した上で出店の意思決定をして下さい。
本日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。