ニューノーマル時代は「繁盛店」より「繁栄店」づくりが大切!
ニューノーマル時代は「繁盛店」より「繁栄店」づくりが大切!|飲食店コンサルティングのスリーウェルマネジメント
皆さんこんにちは飲食店コンサルティング会社スリーウェルマネジメント代表の三ツ井です。
前回のブログでは、A4用紙たった1枚でまとまる!アフターコロナの経営計画書についてお話をさせて頂きました。
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私はよく、ご支援先の社長様に「これからの時代においては“繁盛店”よりも“繁栄店”になる事が大切」という話をします。繁盛店と繁栄店、一見すると同じ意味のように感じますが、繁盛と繁栄という言葉には違いがあります。
繁盛という言葉には「一過性のにぎわい」も含まれます。一方で繁栄という言葉には「豊かに、かつ継続的に発展していく」という意味が含まれているのです。
これからの時代はこの「豊かに」というキーワードが非常に重要です。「豊かに」という言葉の中には「お客様にとっての豊かさ」と同時に、「働くスタッフにとっての豊かさ」も含まれます。
飲食店経営においては、常に時流の業態を追いかけ、一過性の繁盛で投資を回収していくビジネスモデルもあります。私はこうしたビジネスモデルが決して悪いとは思いません。ただ、SNSの普及等で消費者の情報を得るスピードが年々早くなり、それと比例するように時流業態の業態寿命も短くなってきています。こうした傾向は今後も促進する事が予想されており、時流業態の展開で常に繁盛を実現させる(お店を当てていく)為には常に最先端の情報にアンテナを張り、即座に投資意思決定をして店舗を出店していくスキルが必要になります。
私はこうしたスキルは一朝一夕で身につくものでは無いと思っています。当社のご支援先の中でもこうした時流業態を中心に展開されている企業様もおられますが、こうした企業の社長様の情報収集スキルや時流業態のキャッチアップスキル、意思決定スピードは凄まじいものがあり、誰しもが真似できるものではありません。
時流業態は、競合他社が続々と参入してくる前に投資回収を終える「先行投資」「早期回収」が必須となり、「時流情報獲得力」「物件獲得力」「資金力」「人材力」等の要素が高レベルで揃っている事が成功の条件となります。中々ここまでの力を持っている企業様は多くありません。
繁栄店づくりを分かりやすく解説する為に図を使って説明させて頂きます。
【繁盛店サイクルから繁栄店サイクルへ】
①土づくり
繁栄店を作る為に最初に取り組むべき事は、土づくりです。経営理念や行動指針を定めた上で、QSC基準(Q:クオリティー=品質、S:サービス、C:クリンリネス=清潔さ)の構築、そしてQSCレベルを維持、向上する為の仕組を作っていきます。
何より、スタッフのモチベーションが無ければQSCの維持、向上は実現できませんので、人事評価制度や、福利厚生等の整備にも取り組まなくてはなりません。こうした取り組みを通じて、企業の土台となる「土づくり」や「土壌改善」を行います。悪い土にどんな良い種を植えても芽は出ないのです。
②種まき
土づくりの次に行うのが種まきです。「次に」とは申しましたが、実際の経営においては土づくりと並行して種まきを行う場合が多いかと思います。
種まきとはお客様を集客する為に必要となる活動のプロセスです。競合店(同一商圏内においてお客様を取り合っているお店)やモデル店(日本全国の参考となる店舗)の調査等を通じて、自店の参考になる情報を仕入れます。最近ではSNS等を通じて他店の情報を知る事もできます。
こうして得た情報等を元にしっかりと商品開発(コンテンツメイク)を行った上で、販売促進の計画をしていきます、
販売促進と聞くと「割引」をイメージされる方もおられると思いますが、販売促進のベースとなるコンテンツはあくまでも「魅力的な商品」である事を忘れないでください。割引は誰でも、いつでも発信できる為、一見便利なコンテンツですが、割引だけの販売促進ではいずれ行き詰まってしまいます。
そして、何より大切なのは「販促計画」です。販促計画とは「いつ」「どの媒体で」「どのように」販売促進をするかという事を予め定めておく事です。多くの飲食店が効果的な販促を実現できていないのは、販促計画が無く、行き当たりばったりの販促をしてしまっているからです。
ここで、一つ参考例をお話させて頂きます。年間を通じて様々な販売促進を戦略的に行っている代表的なブランドにマクドナルドがあります。皆さんはマクドナルドが1年間に発売する季節限定商品や新商品がどれ位の数あるかご存知でしょうか?実はハンバーガー、デザート、ドリンク等を合わせて年間100アイテム以上の商品(コンテンツ)をリリースしています。回転すしのスシローさんも年間を通じて様々な新商品やキャンペーン等のコンテンツを打ち出しています。
そして、このコンテンツを軸にテレビCM等の販売促進を行っていく事で長期的な企業成長を実現しているのです。
③水やり
繁栄店における水やりとは、継続的に販売促進内容やオペレーション等を見直していく活動です。実施した販売促進に関してCPO(Cost Per Order=新規客獲得単価)を販売促進媒体毎に分析し、販売促進の効率を見える化していきます。アフターコロナでは経営を適正化し、自店の利益率を高める為にもこのCPO分析は重要です。
そして、忘れてはいけないのがオペレーション改善です。販売促進に伴い新メニューを導入した場合、発売開始直後はどうしてもオペレーションが乱れる事が多くなります。スタッフがお客様におすすめをしている商品の「提供が遅い」「クオリティが低い」という状態では、おすすめが逆効果になってしまいます。
私はこれを「逆ブランディング」と呼んでいます。せっかく良かれと思って導入した新商品やキャンペーンが「逆ブランディング」になってしまっていては意味がありません。皆さんのお店でも「逆ブランディング」には十分注意をして下さい。
こうしてCPO分析やオペレーション改善を通じて、販売促進計画を常にブラッシュアップしていく事が重要です。「やりっぱなし販促」であれば、いつまでたっても販促効果を高めることはできません。
なお、今回のブログは下記YouTubeでも解説しておりますので、ぜひご覧ください!
本ブログが少しでも飲食店経営者の皆様のご参考になれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。